いや、そんなかわいいものじゃない。
これは....地獄だ。
まだ1人の時に会ってしまう方がずっとマシだった。
こんなことに三宅くんを巻き込みたくない。
「....誰?えっ、もしかして季澄の彼氏!?」
嫌な予感がする。
違うと否定したところで、思い込みが激しいこの男が納得してくれるとは思えない。
店内は涼しいはずなのに、汗が垂れる。
「あっ、彼氏さん知ってます!?コイツ実は....」
警告の鐘が最大ボリュームで鳴り響く。
この男が言おうとしていることがすぐにわかり、やっと口が動いた。
「....やめて!!」
「アニメとか声優が大好きな”オタク”なんですよ!」
───けど、遅かった。
積み上げてきたものは、こんな奴の一言で音をたてて崩れ落ちた。



