【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




三宅くんが扉を開けるとカランコロンと鈴が鳴った。



中に入ると涼しい空気が流れてきて、暑くなっていた体が冷やされる。



「いらっしゃいませ~」



明るい声が店内に響く。



「2名様でよろしいでしょうか?」



「はい」



「ありがとうございます。では、こちらへどうぞ」



素敵な笑顔で案内された席は、窓側の席で外の景色がよく見えるところだった。



「ご注文が決まりましたら、そちらのベルでお呼びくださいね。ごゆっくりお過ごしください」



店員さんはペコリと頭を下げて去っていった。



「メニューはこれから選んで。どれもおいしいからおすすめだよ」



慣れている三宅くんはテキパキと説明してくれた。



「ありがとう」



差し出されたメニューを見ると、丁寧に写真付きで掲載されていた。