「ごめんごめん。じゃあ行こうか」
スッと手を差し伸べられて、私は自然と手をとる。
こうやって当たり前のように手を差し伸べられるところだって好き。
私が立ち上がると、差し伸べられた手は離されることなくがっちりと繋がれた。
「えっ...!?」
「なに?」
「...手、離さないの?」
普通に手を繋いだまま、彼が歩き出したから。
「だって俺達、恋人でしょ?」
いつだって君の言葉は私の心をときめかせる。
私が言われて嬉しい言葉を分かっているみたいに、ドンピシャなことを言い放ってしまう。
サラリとまっすぐ私の目を見て言ってくれる言葉がどれだけ私を喜ばせるか君は知らないでしょ?



