それは骨折のせいなのか、私の体が動きたくないと願ったのか、三宅くんの雰囲気に動けなくなったのか。
───私にはわからなかった。
ただ動かない私の体とは反対に三宅くんはどんどん私に近づいてきた。
そして前髪をかきわけて、三宅くんの体温が肌に触れた。
「............」
....今、何が起こったの....?
思考がストップして全然、頭がまわらない。
確か三宅くんが近づいてきて....、私のおでこに....。
...........触れた?
「お~い、下平さん?生きてる?」
目の前で私に向かって手をひらひらする三宅くんの姿をぼんやりととらえる。



