神殺しのクロノスタシスⅣ

――――――…同時刻。



聖魔騎士団魔導部隊では。

「なんだか、大変なことになったよねー」

聖魔騎士団1、いや、ルーデュニア聖王国1、危機感のない女が。

珍しく、若干の危機感を匂わせる発言をしていた。

俺はそれを喜ぶべきなのだろうが。

しかし、決して喜んで良い状況ではない。

何故なら。

「よっ…ほっ…」

折角、ベリクリーデの口から、危機感を感じさせる発言が出たと思ったのに。

常日頃危機感のないベリクリーデは。

やっぱり、今日も危機感がなかった。

「…何やってんの?お前…」

「…?よっ…。バレエ」

ベリクリーデは、腹の前に手を出して、片足で爪先立ちを試みていた。

この格好で「大変なことになったよね」と言われても。

「いや、大変なのはお前の頭の中だろ」としか言いようがない。