神殺しのクロノスタシスⅣ

――――――…元暗殺者組が、園芸部で農作業を。

学院長は、楽しく座学の体験授業を。

天音さんは、受付で来場者に資料(と、チョコ)の配布を。

イレースさんと羽久さんは、講堂で学校説明会を。

それぞれやっている頃、僕は何をやっているかと言うと。

僕も、ちゃんとオープンスクールに貢献してますよ。

なんと、僕は学校の訓練場で。

「はい、皆さん。これから実技体験授業を始めますよー」

未来のイーニシュフェルト魔導学院の生徒達に、にこにこと愛想を振り撒いていた。

こんなイケメンカリスマ教師が、体験授業してくれるんだから。

そりゃあもう、入学するしかないですよねー。

しかもほら、見てくださいよ。

訓練場には、たくさんの体験授業希望者が殺到していた。

体験授業は、午前に一回、午後に二回と、合計三回行われることになっている。

既に午前の部は終わり、これから午後の一回目を始めるところだ。

午前中から希望者殺到で、出来れば全員引き受けてあげたいところだったが。

残念ながら、一度に見られる人数には限界がある。

からして。

申し訳ないが、先着順で20名ずつ、体験授業を行い。

他の希望者は、その様子を見学してもらうことで勘弁してもらった。

まぁ仕方ないですね。イケメンカリスマ教師に、分身はいませんから。

一人で満足してください。

そして。

僕が「事に気づいた」のは、その、午後の一回目のときだった。




「えーと、それじゃ午後の部一回目の体験実技授業、始めますねー」

訓練場には、未来の魔導師の卵達と、その父兄達が待ち構えていた。