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 11月の春高バレー予選大会まで6ヶ月を切っていた。犬崎のみんなは練習を頑張ってくれている。しかし、経験が足りていなかった。もっと強いチームと練習がしたい。莉愛は焦っていた……そんなある日、良い知らせが届いた。夏休みの一週間、北軽井沢にある体育館で合宿が決まったのだ。しかも一緒に合宿するのは群馬国際大学のバレーボールチーム、絶対に良い経験になる。意気揚々と莉愛は体育館へと向かい、みんなに声を掛けた。

「みんな聞いて、夏休みの一週間、群馬国際大学との合宿が決まったよ」

「えっ?マジで?」

 最初に驚きながら声を上げたのは、洋介だった。

「姫川どうやって連絡取ったの?」

 拓真も驚きを隠せない様子で、莉愛に詰め寄った。

「えっと、知り合いが群大の学生にいて、相談したら来いって言ってくれたんだ。相談してラッキーだったよ」

 本当にラッキーだった。

 私には四歳上の兄がいる。その兄の知り合いが、ちょうど群馬国際大学に通っていて声を掛けてくれたのだ。

「みんな、群大生に負けられないよ。あっ、それから夏休み前の期末試験で赤点だった人は、体育館の隅で一週間勉強だからね。大学生もいるからみっちり勉強できるよ。分かったら、赤点は取らないこと、良いわね?」

「げっ……マジかよ」

「やばいよ……俺ダメかも」

 一年生コンビが悲痛な叫び声を上げた。

「そう思うなら、今日から勉強頑張りなさい。分からないところは先輩に聞けば良いわ。頑張って」

「「うっす」」