社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 まだ恋とかにはなっていないが。
 ともに毎日走っているせいで、不思議な連帯感が生まれているのは確かだった。

 ちょっと体育会系な連帯感だが。

 可愛らしいペーパーナプキンに包まれたパウンドケーキを見ながら武者小路は、ここのところずっと考えていたことを口にした。

「……俺、太ったよな?」

 坂巻は微笑んでいる。

「走って使うカロリーより、お前がこうして補充してくるカロリーの方が多いから。
 俺、走ってるのに、太ってってるよな?」

 坂巻は微笑んでいる。

「痩せるとみんなに狙われそうだから」

 律子とか、と言う。