「というわけで、なんだかわからないけど、噂になってるみたいなんですよ。
やはり同じタクシーに乗るべきではないですよね、我々は」
千景はそう将臣にタクシーの中で言った。
翌日の朝のことだ。
「お前、もうタクシーあらかじめ呼んどけよ。
俺がこの人のタクシーに乗るから」
と将臣が運転手さんの方を見る。
あの時間にあの辺を流している同じ運転手さんの車を毎度つかまえている、と二人は気づいたのだった。
というか、毎度あの辺りに客がいる、とわかっているので、一応、毎朝、あの辺りを走ってくれているようだった。
そうと聞いたら、毎朝、乗らないといけない気がしてしまうではないですか、と千景は思っていた。



