社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


 ……別に嵐山と付き合いたいとか、そういうわけではないのだが。

 俺ならこいつをそんなに好きとかないし、遠慮なくいけるのではないだろうか。

 そう八十島は思っていた。

 そして、思いがけず、そのタイミングはすぐにやってきた。