社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 飲みかけだった缶コーヒーをぐっと飲んだとき、真正面のデスクにいつの間にか戻ってきていた武者小路がこちらを見ているのに気がついた。

「どうかしましたか?」
と訊いてみたが、

「……いや、別に」
と言って、ノートパソコンを開いていた。