社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「だがそうだな。
 社史みたいな仕事が好きなら、広報がいいんじゃないか?

 ……恐怖新聞作られても困るし」
と言いかけた将臣だったが、

「ああ。
 お前、営業に行きたかったんだったか」
と気づいたようだった。

 だが、将臣はそこで渋い顔をし、

「……いや、営業は駄目だ」
と言う。

 そうかー。
 まあ、私は向いてませんよね~と千景は、しゅん、としたが。

 単に、将臣は、千景に気がある気がする武者小路も一緒に営業に戻ってしまうのでは、と危ぶんでいただけだった。