どんなしょうもないアンケートだよ。
こんなもの社史に載せられるか、と将臣は思っていた。
いや、編纂室の連中は、社員の知りたいとこを忠実にまとめてきただけなのだろうが。
……仕方ない。
なにか別冊ふろくみたいな感じで、社史につけるか。
社外の人には渡さず、社内の人間だけに。
妥協した将臣は、困ったな、という顔で、好きな酒も呑まずに、アンケート用紙を眺めている千景を見た。
口を開こうとして、ふと気づく。
待てよ。
もしかして、これは嵐山に俺のこのもやもやした気持ちをぶつけるチャンスなのでは……。
「彼女はいない――」
将臣は千景に向かい、言った。



