社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 蔑むように、じっと見ている。

 そして、蔑むように、嵐山の一挙手一投足を観察している。

 あいつに目を奪われているとかでは決してないっ、と思う八十島は、

 この人、みたいじゃないからな、
と思い、将臣を見る。

 将臣は千景が同期の男と話しているのを、もうちょっと隠したらどうですか、と思うような嫉妬を込めた眼差しで見つめている。

 だが、本人にその自覚はないようだった。

 ふと見ると、武者小路も、将臣を見ていた。

 明らかに千景が好きな将臣の態度を見て、奴もまた、

 よかった。
 俺はここまであからさまではない、とホッとしているようだった。