社長っ、このタクシーは譲れませんっ!




 俺が嵐山を好きだとか。

 いや、ないない。

 ちょっとした神経性胃炎とかで、胃が痛いだけだろう。

 あの二人を見たときだけ痛くなるのが、ちょっと気になるが……。

 そう思いながらも、結局、武者小路は病院には行かなかった。

「胃炎ですね~。
 お薬出しましょう」
と言われるのも嫌なのだが。

 今回に限っては、
「どっこも悪くないですね~。
 精神的なものじゃないですか?」
と断定されることも嫌だったからだ。

 結果を知りたくない、と思い、行かなかった武者小路の頭の中では。

 医者がずいぶん軽い感じに、

「どっこも悪くないですね~。
 それは恋ではないですか?」
と言いはじめた。

 そんな診断下してくる医者がいるか、と思いながら、リラクゼーションルームで新聞を読んでいると、千景が同期の子たちとやってきた。

 楽しげになにか話している。