社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


 もふんと受け止めたことで、坂巻の気持ちが自分に向いていることにも気づいていない武者小路は、今日もなんだか胃を痛くしていた。

 さっきまで、編纂室に将臣が来て、楽しげに千景と話していたのだ。

 なんだろうな。
 また胃が痛い。

 食べすぎで体調を崩してしまったのだろうか。

 この間の千景の阿呆なポテトチップスの話を思い出してしまい、どれも最後の一枚にできなくなって、ちょっと食べるつもりの食後のポテチを完食してしまった。

 ……まあ、そんなことくらいでお腹を壊すとも思えないんだが、と思いながら、千景たちが出て行ったあと、前倉に言う。

「すみません。
 明日、ちょっと遅れてきてもいいですか。

 なんだか最近、胃が痛くて」

「食べ過ぎですか?」

すぐに前倉はそう言った。

 言ったのが千景なら、おい……と言うところだが、前倉なので、まあ、そう思いますよね、と思っただけだった。