社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 将臣は、
「いや、それはうちの猫じゃない」
と言うパターンを想定してみた。

「そうですか」
と言って、千景は猫と遊んで帰っていった。

 その後も、何度か千景は遊びに来たが、永遠に最後の一匹とは会えず。

 千景は八十島と結婚してしまった。

「待ってくれ、千景っ」

 慌てて千景を追いかけるが。
 ウエディングドレスを着た千景は八十島と楽しそうに歩いていってしまった。

 ……待て。

 これ、どっちでも、結局、振られてないか?

 そう気づいた将臣はあっさり、

「いや、それはうちの猫じゃない」
と千景に教えた。