社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 落ち着け俺。

 まず、仕事のときのように、今後の状況をいろいろと想定してみるんだ。

「そうだ。
 これがうちの最後の猫だ」
と言ってみる。

「そうだったんですか。
 結婚してください」
と千景が言い、結婚。

 よく考えたら、千景の方から、結婚してくださいと言ってくるわけもなかったのだが。

 自分から言う勇気はないので、なんとなく。

 だが、結婚式当日、ウエディングドレス姿の千景がついに現れたホンモノの最後の一匹を抱えて言う。

「将臣さん、私を騙してたんですね」

「待ってくれ、千景っ。
 俺が悪かったっ」
と将臣は千景を追いかけ、謝るが。

 千景は痩せてイケメンに戻った姿で参列していた武者小路と出て行ってしまった。

 ……やはり嘘は駄目だな。

 仕方ない。
 素直に違う猫だと言うか。