社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「いや~、君の、友だちを手伝ってフリーペーパーを作った話と、小学校の壁新聞の話はよかったよ。

 面接での話なんて、大抵、決まりきった感じで、面白くはないんだけどね」

 型破りでよかった、と褒められる。

「はっ……

 あ、ありがとうございます」
と頭を下げながら、

 危ない危ない。
 いつものくせで、ありがたき幸せと言うところだった、と思っていた。

「社史編纂室なんて、場末の部署だと思うかもしれないが。
 私は、百周年記念の目玉だと思ってるんだよ。

 編纂室には、いろんな部署から適任だと思われる精鋭を引き抜いた。

 無事に社史が完成したあかつきには、みんなまた、それぞれの部署で頑張って欲しいね」

 あ、そうか、と千景はしんみりしてしまった。

 社史が完成してしまったら、編纂室は解散なのか。

 みんなといられないの、寂しいな。