社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 だが、そういえば、我が社の最上階は社長室ではない。

 会議室がずらりとある場所だ。

 あそこに住んでいるのは、取引先からもらったので置いているという、でっかい信楽焼の狸の置物くらいのものだ。

 じゃあ、最下層の人は、社長じゃなくて、あの酒瓶持った狸の置物だな。

 千景はとりあえず、将臣を最下層にしなくてすんで、ホッとする。

「……それにしても、社長、下から二番目では」
と八十島がいたら突っ込んでいただろうが。