社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「千景、晩ごはん食べに来なさいよ。
 暇なら」

 親からだった。

「よしくんも来てるから」

「はーい。
 わかりました。

 ありがとうございます。
 お世話になりますー」
と半分機械的に言いながら、ついでに筆を動かす。

 晩ごはん、なんだろうな。

 なんか甘辛いおかずが食べたいな。

 すでになにも無心でない感じになっていたが、とりあえず、切りのいいところまで描き上げた。