社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


「よし、ケーキを食べるか。
 何処で食べるかな」
と白いケーキの箱を手に、将臣は千景や猫たちをゾロゾロ引き連れ、屋敷の中を歩き回る。

「この部屋はちょっと寒いな」
「この部屋は日当たりが悪いな」
とか言いながら。

 早百合がいたら、
「暖房つければいいでしょう。
 日当たり、夜なのに関係ないし」
と容赦なく言ってくるところだったが、幸い、いなかった。

 千景は歩くのもままならないほど、猫にまとわりつかれてご機嫌なので。

 屋敷中を移動していることに関しては、特に不満はないようだった。