「どうしたんですか?」 苦しゅうない、触ってよいぞ、とばかりに手を差し出してきた黒猫の手をもふっと握って千景は訊いた。 「……いや、なんでもない」 そう言いながらも、将臣は、まだなにかを探すように視線を動かしている。