社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


 千景が書店をウロウロしていると、八十島から電話がかかってきた。

「今何処だ?
 社長がお前を探している」

 そこで千景は、ようやく気づいた。

 将臣に連絡先を教えてなかったことに。

 いつもなんとなく会えるし。

 誰かが側にいるから、直接、社長と連絡とらなくてもなんとかなってたもんな~と思いながら、

「会社の裏の商店街にいます。
 今から会社に戻ります」
と言うと、そのまま、八十島がすぐそこにいるのだろう将臣に伝えている。

「そこに行くから、待ってろ、だそうだ」

「わかりました。
 ありがとうございます」
と二人は電話を切った。