その日の夕方、千景は猫屋敷に行くため、会社近くで時間を潰し、将臣を待っていた。
ブラブラ歩いていると、ビル街と真新しいマンションが立ち並ぶエリアの中間に、突然、昔ながらの商店街が現れる。
こんなとこあったんだ。
なんか楽しいな、と小さなお肉屋さんや八百屋さん、書店なんかが軒を連ねる通りを歩いてみる。
変色した庇テントとか、古い形の街灯とか、超いいなっ!
写真撮りたいっ。
撮ってもいいだろうか?
っていうから、何処から撮ったら絵になるかなっ、と思いながら、ウロウロしていると、いきなり肩にもふっとした温かいものがのった。
誰かに肩を叩かれたようだ。
えっ? と振り返ると、武者小路が立っていた。



