社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 いつもの場所で二人を降ろすと、すぐ側にあるカフェから出てきた、すらっとした若いイケメンが、二人を見て、

「なんでまた私を待ち構えてるんですが、あなた方はっ」
と文句を言いはじめる。

 苦笑いしている二人に軽く頭を下げて、車を出そうとすると、三人そろって頭を下げてくれた。

 あの二人、乗らない日もあるけど。

 乗ってくるのをつい、心待ちにしてしまう。

 二人の仲の進展具合が気になって。

 朝の連続ドラマを見逃さず、無事に見られたような心地で、運転手は気持ちよく車をスタートさせた。