社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


 ……なに密着しながらやってんだ。

 将臣はドーム型になっているお菓子を落とすゲームをしながら、千景たちを見ていた。

 八十島は早蕨の酒は断っていたが、結局、かなり酔ってしまったらしく。

 千景に勝負を挑んでは負け、二人でずっと仲良く並んで対戦ゲームをしている。

 一台のゲームに丸椅子を並べてやっているので、腰が触れそうに近い。

 それに、移動するとき、千景がはぐれないようにか、手を握っているのも気になった。

 ……いや、単に、嵐山が迷子になりそうだからとか。

 対戦から逃げ出さないようにだとか、そういうのだろうが。

 そんなことを思いながら、二人の方を見ていると、近くを通った小西が、

「社長、すごいじゃないですか」
と言ってくる。

 見ると、積んであるお菓子が倒れていて、ドサドサ落ちてくるところだった。