社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 

「ドキドキします。
 呑み会、なに着てばいいんですかね?」

「会社からそのまま行くんでしよ?
 着替えなくていいじゃん」

 木曜の昼、社食で律子たちにそう言われた。

「そんなことより、武者小路さん痩せさせる話はどうなったのよ~」

「社長に武者小路さん、営業に行かせて、走り回らせる予定はないんですかと訊いてみたんですけどね」

「それ、なんの拷問?」
と坂巻が言ったとき、八十島が側を通った。

 そちらを見ながら、坂巻が言う。

「千景、みんなに訊くとき、訊き方間違ったよね。
 社長と八十島さんが来る呑み会に行かない? って訊けばよかったのに」

「はっ、そうですねっ」
と千景は身を乗り出し、坂巻と律子に訊いてみた。

「社長と八十島さんが来る呑み会に行きませんか?」