社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 

 あのあと、嵐山は上手くやったのだろうか。

 絶対にやれてない気がするが、と思いながら、八十島は廊下を歩いていた。

 スマホが鳴る。

 ん? 九条真実からだ。

 仕事中だぞ、と思いながら、出る。

「なんだ、恋愛ドラマ」
とさっきの流れで呼んでしまい、

「は?」
と言われてしまった。