社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「……何処にも愛がないな」

 千景より先に、武者小路が呟いた。
 愛? と訊き返した将臣が千景に訊いてくる。

「愛がいるのか?」

 ……いるんじゃないですかね?

「お前はあまり恋愛などに興味がないように見えるんだが」

「……えーと。
 それはそれとして。

 ほら、一生をともにする人との間には、やはり、欲しいじゃないですか、愛」

 そうか、と頷いた将臣は大真面目に言ってくる。

「では、お前を愛せるよう、努力しよう」

 将臣はそこで考え、訊いてきた。

「どうやったら、お前を愛せるかな?」

「……もうあなたとの結婚は絶対ないと思いますね」