社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 だいたい、猫が、
「一緒に暮らしましょう」
 なんて言ってくるか、と思いながら、将臣は想像してみた。

 雨の中、バス停に傘をさして立つ自分の横にびしょ濡れの猫。

 こちらを見上げ、見つめてくる。

 ちょっと一緒に暮らしましょうニャ。

 なんか猫の方が上から目線だが……。

 確かに、これはいかんっ。
 連れて帰ってしまいそうだっ、と将臣が思ったとき、早百合の笑い声が広い南向きのリビングに響いた。

「まあそうなの。
 もう一匹が見つけられないの?

 私はこれから出かけるけど。
 将臣と探しなさいな。

 あと、あなたの仏、今度見せてちょうだい」

 お前、いつの間に仏の話までっ、と千景を見る。