早めに仕事が終わった将臣は、千景とタクシーで猫屋敷に向かっていた。
横に座ってなにやら話している千景を見ながら思う。
こいつ、八十島には何故、連絡先を教えたんだろう……。
「いやいや、八十島さんの連絡先だけ訊いて、こちらが教えないのも変だったからですよ。
住所はもともと教えてましたしね」
と千景に訊いたら教えてくれただろうが。
訊かなかったので教えてもらえなかった。
こいつ、八十島に気があるのだろうかな?
まあ、八十島は仕事もできるし、男の目から見ても、いい男だ。
女性に人気あるだろうな。
……いや、別に俺は八十島が人気があっても。
嵐山が八十島に気があっても、どうでもいいんだが、
と思ったとき、こちらを見て、千景が言った。



