社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 


 こいつ、呑み会に来るのか……と思いながら、将臣は早蕨の消えた方を見ている千景を窺う。

 早蕨さんは差し入れのお菓子により、嵐山を気に入ったようだ。

 いや、気に入っているのは、嵐山ではなくお菓子なのかもしれないが。

 呑み会には結構いろんな奴が来るようだが。

 ……若い男も来るんだろうかな。

 いや、別にいいんだが。

 そんなことを考えながら、将臣は千景に言った。

「呑み会はもし来たくないなら、俺か八十島に言え。
 早蕨さんには上手く言っといてやるから」

 千景は、ありがとうございます、と頭を下げ、八十島は、

 私を巻き込まないでください、という顔をしていた。