社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

 そこまでじゃな~い、と坂巻が言うので、千景は将臣がおごってくれたコーヒーを一気にあおり、

「ごちそうさまでした。
 ありがとうございましたっ。

 あ、これ、秘書のお姉様方に、お裾分けです。

 ではっ」
とお菓子を半分渡し、ゴミ箱に紙コップを捨て去っていく。

 ヘブンズハ……なんなんだ、と立ち尽くす将臣を残して。