社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「……毎朝、一緒というわけじゃないんだな」

「昨日は家政婦さんがいらっしゃったので、あっち泊まらなくてよかったみたいですよ」

 そうそう、と千景は八十島に語る。

「そういえば、昨日、不思議な人に会いましたよ。
 私に向かって」

「泥棒猫っ!」

「って叫んできた人が……」

 ん? と二人は振り返る。

 昨日の可愛いが派手な女性が立っていた。

「……誰なんだ、こいつは」

「さあ?」