社長っ、このタクシーは譲れませんっ!

「社史編纂室の嵐山の電話番号知らないか?」

「……ナンパならご自分で。
 仕事の範疇外です」

 違うっ、と叫んだときには、もう電話は切れていた。

 容赦ない秘書だ、と思いながら、将臣はスマホをしまう。

 まあ、仏、仏とうるさい奴だから、仏の御加護で無事に着いているだろう。

 そう思いながら、将臣は窓から夜の街を見た。