その日の帰り、千景は会社を出たところで、後ろから声をかけられた。 「おい」 振り返ると、将臣だった。 「社長、どうしたんですか?」 「帰るんだよ」 「何故ですか」 「いや、何故ですかってなんだ……。 だが、確かに社長になってから、こんな早く帰れるのは初めてなんだ」 と将臣はウキウキしたように言う。 「まだ少し明るいな、小学生に戻った気分だ。 そうだ、嵐山、寿司でもおごってやろうか」 ……小学生は、寿司おごらないと思いますね。 「いえ、結構です」 「なんでだ」