「ありがとな」

「これで貸し何回目?」

「ちゃんとあゆむが遅刻したとき返すって!」

「じゃあ一生返ってこないね!」

累は、私が唯一緊張せずに話せる男子。

底抜けに明るいわけでもないのに、近くにいるだけで場を照らしてくれる。

会話力が高いのか、累と話すのは心から楽しい。