真夏の夜

たまに相槌をうっては、稀に笑ったりと。

気がつくと眠っているようだった。

音楽のボリュームを下げた。

今年中学3年生で受験や部活と忙しいのだろう。

家に着く頃には0時前だった。

彼女はふと起きあくびをした。

そして何事もなかったかのように車を降り、家へと入って行った。

妻はリビングでテレビを観ていた。

僕はコップ一杯の水を飲んだ後、部屋へと戻った。

秋はシャワーを浴びに行ったようだ。

仕事の準備を簡単に終わらせ、一階に行って冷蔵庫から缶ビールを取り出した。

秋はコップ一杯のお茶を飲むと無言で寝室へ行った。

「ドライブは楽しかった?」

「僕の話が面白ければ、きっと秋はもっと楽しかっただろうけど」

妻も冷蔵庫から缶ビールを取り出し、ソファーに座って2人で飲んだ。

「何でまた急にドライブに行くことになったの?」

「僕が海を見に行きたいと言ったら、秋も行きたいって言ったんだ」

「私も見に行きたかった」と妻は呟いた。

「何か話はしたの?」

「特に何もしてないよ。強いて言うなら英語の単語クイズをした」

妻は何も答えなかった。

「そういえば今晩近くの公園で花火大会があるしいんだけど皆んなで行かない?」

「行こう。明日は僕も仕事を早く終わらせて帰ってくるよ」

「じゃあ私は先に寝るね」と言い、部屋へ行った。

僕はビールを飲み終えシャワーを浴び部屋へ戻った。

翌朝、秋は部活の試合で8時には起きていた。

「おはよう」

秋は普段と変わらない様子で、おはようと返した。

妻は秋に弁当を渡し、いってらっしゃいと見送った。

息子の圭太は僕が起きる前に家を出て行ったようだ。

妻はコーヒーを淹れてくれた。

基本的に僕は朝食を食べないのだ。

「今日は秋も圭太も夕方には帰ってくるみたい」

妻はそう言うと朝食の食器を洗いはじめた。

僕は朝のニュース番組を見ながら、今日1日の流れを考えていた。

全国的に晴れマークが多く、熱中症には十分お気をつけくださいとのことだ。

コーヒーを飲み終え、顔を洗い仕事着に着替えた。

オフィスまでは家から徒歩20分程度だ。

家を出る時、妻は洗濯物を干していた。