午後10時11分、残業でいつもより長く仕事をして帰ってきた一階に単身で住むサラリーマンの男性が「息をしていない女性が倒れている」と119番通報をする。
救急車と消防車が緊急のサイレンを鳴らしながらハイツ前の歩道に停まる。
女性は頭から血を流し、あおむけに倒れているのを男性が発見。
救急車で運ばれ、病院で死亡したことを確認された。

倒れていたのが、三階の階段の真下であることから、雨に濡れた階段に誤って足を滑らせ転落したとみられるとされた。

再び止んだあの雨の夜、曇っていた雲たちがきれいな三日月をさらけ出したあの日、わたしは死んだ。

これが25歳まで生きていたわたしの後悔だらけの一生の結末である。