彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。




星畑はわたしのかわいい彼氏です、って、大好きポイントみたいにわたしも手紙に綴ってわたそうかな。



星畑じゃないからレポートにするほどは書けないだろうけどさ。



「星畑、楽しみにしててね」



ぱちん、と爪切りが音を奏でた。







後日談。



──あの昼休みで平常を保てていたのは、わたしと爪切りだけだったよ。



なんて友から言われた。



心外だけど、なんとなく言い返せなかったからたぶんわたしの負け。





【おしまい】