彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。








「……って感じで、その、たいへん楽しませていただきました。ありがとうございました」

「よろしい」



まんまと友達への返信をわすれて既読無視を貫き通したわたくし、昼休みに星畑と過ごしたいちにちを詳細に語ることを条件にゆるされたので、語りつくしました。



「なんか……かわいらしいお付き合いのしかたしてるよね、どっちも感情が激重だけどさ」

「どっちもって、わたしも?」

「そりゃあもちろん」

「星畑の愛は重いなって思うけど、わたしはそうでもなくない?」

「え、無自覚?」



無自覚というか、そんなことないと思うんだけど。