彼氏へ。わたしの爪と皮膚はしおりにしないでください。




「……ね、星畑。ほんとに無理?」

「無理じゃない、けど、照れるからまって」

「…………いつまでまてばいい?」

「あー、予約制ね? そういう感じね、わかった。いま決める。……1週間後くらいはどうです?」

「遠い……」

「う、僕もちょっと思ったけど。でも、お願い。絶対大事に呼ぶから」

「わかった。……約束ね」

「うん。久野のほうこそ、いつ呼んでくれる? 決めてよ。その日に予約するから」

「じゃあわたしも、星畑とおんなじ日に、する」

「わかった。その日までに久野のかわいいところレポートもまとめとくね。それで、次からは、み、……その、下の名前でレポート作り出すから」



美玖のかわいいところレポート、って言おうとして言えなかったのがうかがえる。ほんと、かわいいと思う。わたしの彼氏、かわいくない?



「星畑」

「なあに?」

「星畑から、キス、して」

「……うん。かわいいね、久野」