でも何も伝えることが出来なかった。
その夜、俺はまりえさんのいない空間に違和感を感じていた。
なんて静かで寂しいんだ。
静寂の中、スマホが鳴り響いた。
「真山さん?」
「どうしたんですか」
「えっと、今日のお見合いの報告しようと思って」
「そうですか」
「四十五歳のバツイチなの、信じられないよね」
「そうですね」
「だって、一緒に歩いていても私への気遣いが全くないの、後ろで転んでたらどうしてくれるのって感じ」
「それは駄目ですね、男として横に寄り添わないと」
「そうだよね」
そう言って笑った。
「なんか久しぶりだな、笑ったの、真山さんと話してると楽しい」
「そうですか、光栄です」
そのあと沈黙が続いた。
話すことがないけど切りたくない。
「ではまた、おやすみなさい」
何か、何か言わなくちゃ、切れちゃう。
「あの、明日の天気どうかな」
「天気ですか」
何言ってるの、私。
「ちょっと待ってください、明日は午後から雨ですよ」
「雨?」
その夜、俺はまりえさんのいない空間に違和感を感じていた。
なんて静かで寂しいんだ。
静寂の中、スマホが鳴り響いた。
「真山さん?」
「どうしたんですか」
「えっと、今日のお見合いの報告しようと思って」
「そうですか」
「四十五歳のバツイチなの、信じられないよね」
「そうですね」
「だって、一緒に歩いていても私への気遣いが全くないの、後ろで転んでたらどうしてくれるのって感じ」
「それは駄目ですね、男として横に寄り添わないと」
「そうだよね」
そう言って笑った。
「なんか久しぶりだな、笑ったの、真山さんと話してると楽しい」
「そうですか、光栄です」
そのあと沈黙が続いた。
話すことがないけど切りたくない。
「ではまた、おやすみなさい」
何か、何か言わなくちゃ、切れちゃう。
「あの、明日の天気どうかな」
「天気ですか」
何言ってるの、私。
「ちょっと待ってください、明日は午後から雨ですよ」
「雨?」