「何か怒ってんの?」
ダルそうに壁に寄り掛かる唯くんのそれは通常運行で、そこに悪気なんてものはない。
だけど昨日の光景が頭を過ぎって思わず唯くんの事を睨み上げた。
「昨日⋯」
「きのー?」
「昨日、バイトじゃなかったの?」
「バイトだったけど?」
「何言ってんだ」という様に私を見る唯くんに「だけど!」と続けた。
「私、昨日エリーと遊んだ帰りに繁華街のほうで唯くん見たよ。まだ21時で普段ならバイトの時間だった」
「ん?⋯あー、はいはい」
「はいはいって⋯」
一瞬考える素振りをした後、納得した様に頷いた唯くんに先を求める。
「昨日は急遽ヘルプで入ったからいつもと終わりの時間が違ったんだよ。一時間早く終わったんだよ」
「えっ、そうなの?」
「あぁ」
「そうなんだ⋯」
まさかの答えに一先ず安心した。
だけど話は終わってない。



