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「……はあ」



1限目と2限目の間に、彼岸花幹部ふたりに拉致され。

学年集会にいないことに気づいた学年主任に対して、舘宮 まつりを筆頭にした彼岸花7代目が、"アイツらのせいなので"とわたしのことを庇ってくれた。



ということはつまり、この学校で最も狙われている男が、少なからずわたしの存在を認めたことになる。

……となると、まあ。



教室にもどっても話しかけてくる人がいるどころか、距離を置かれてひそひそ話されてる。

彼岸花に近づくという目的がある以上いつかは親しくなる必要があったけど、まさかこんな初手から向こうが動いてくれるとは。



おかげで、ともだちができる気配はゼロなんだけど。



「……ん？」



昼になって、持参したお弁当を広げようとしていたら、スマホが震える。

ブレザーのポケットからそれを取り出せば、新着メッセージ。




『雫ちゃん、誰かとお昼約束してる？

もしよかったら、俺らの部屋おいでよ』



……優理からだ。

あれ？わたしもう姫になった？と思うくらいフランクに誘われてる。なんで？



『ひとりだけど。

わたしがそんな出入りしちゃだめでしょ』



『大丈夫大丈夫。まつりが良いって言ってる』



……、うん。なんで？



『待ってるからおいでよ。迎えに行こうか？』



『わかった、行くわ』