「一昨日の昼休みに鍵借りて、そんときに大宮のノートを持ち出したけど、部活が終わってすぐ元に戻したけど」


だよね…。


千隼くんがうっかり失くすなんて考えられない。


じゃあなんでないんだろう。


千隼くん以外の人に鍵は渡していないのに…。


「お前、まさか無くしたの?」


翔吾が眉をひそめて私を睨む。


「わかんない…」


よりによって明日の対戦相手のノートを失くすなんて…。


早く見つけなきゃ…。


「もう一回部室探して、それでもなかったら監督に報告しろよ」


「うん…。ごめん…」


失くしちゃいけない大切なノートなのに…。


どこに行っちゃったんだろう…。


「まぁまぁ、そう落ち込むなって。怒られる時は俺も一緒に怒られるから」


ぽんぽんっと頭を撫でられ見上げると、千隼くんがニコッと笑いかけてくれていた。


「ありがとう、千隼くん…。もう一回探してみるね」