「てか、その頭どうにかしなさいよ。準決勝はもっと注目されるのよ?」


夏菜が金髪をワシャワシャしてペチンと頭を軽く叩く。


「いってーー。ホント可愛げのない女だなお前は」


「もうっ」


本気でムッとした顔をした夏菜。


それを見て翔吾は慌ててフォローする。


「嘘だって。冗談冗談!ごめんって」


「わかりゃいいのよ」


「やっぱ可愛くねーーー」


まるで長年付き合っているカップルを見ているよう。


夏菜はこんなふうに翔吾にツンツンしてるけど、毎試合応援に駆けつけて翔吾にエールを飛ばしている。


仲が良くて羨ましい限りだ。


千隼くんは…なんだか遠いところにいってしまったなぁ…。


帰り道、他校の女の子から告白されてるところを何度か目撃した。


別に私が気にすることじゃないんだけど、なぜだか少し気になるんだ。