先輩からの卒業




「あーやべ。幸せ過ぎて死にそう」

「え、縁起でもないこと言わないでくださいよ!」

「なぁ、もう一回?」

「死なれたら困るので、もう言いません」

「ちょ、冗談だって。奈子、なーこちゃん」

先輩は私が本気で機嫌を損ねていると思ったのか、少し屈んで私の様子を伺う。

その姿に思わず笑みがこぼれた。


「ほら、もう帰りましょう。……巧くん」



まだ少し肌寒い3月。


隣には同じ色のネクタイを身につける先輩。



私は今日、先輩から卒業しました───。






   

     Fin.