先輩からの卒業




「なぁ、奈子。2年前俺にチョコくれたのって奈子だったんだな」

先輩はそう言いながら私の背中に回していた腕を下ろすと少しだけ距離を取った。

2年前にチョコって先輩は忘れていたはずじゃ……?


「俺、ずっと勘違いしてた」


「な、何をですが?」

「それから、やっぱりあの事故は奈子のせいじゃなかったんだ」

どうして……。

その話は終わったはずじゃなかったの?

今、私達はようやく時を進め始めたばかりなのに。


「先輩がそう言ってくれたとしても過去は変わりません。あれは私のせいで、」


「いや、本当に違ったんだ。この前、加恋と会った時に全部思い出した」



そう言うと先輩は加恋先輩と会った日のことを話し始めた───。